納税証明書「その1」と「その2」の違い|派遣許可更新のAUPで必要なのはどっち?
結論:労働局は「その2」、AUPの突合は「その1」が基本
派遣許可の更新で「納税証明書を取ってください」と言われたものの、「その1」と「その2」のどちらか分からない。そんなご相談をよくいただきます。
結論はこうです。労働局へ出す添付書類は「その2(所得金額の証明)」が基本です。一方、公認会計士によるAUP(合意された手続。決まった項目だけを確かめる調査)で納税額を帳簿と突き合わせるときは「その1(納税額の証明)」を使うことが多いです。目的が違うので、必要な種類も変わります(例外あり)。
「その1」と「その2」は何が違うのか
納税証明書は税務署が発行する公的な証明書で、種類ごとに証明する中身が違います。
| 種類 | 証明する内容 |
|---|---|
| その1 | 納付すべき税額、納付した税額、未納の税額 |
| その2 | 所得金額(法人なら法人税の所得金額) |
| その3 | 未納の税額がないこと |
| その4 | 一定期間に滞納処分を受けたことがないこと |
ポイントは、その1は「いくら納めたか」、その2は「いくら儲かったか」の証明だという点です。名前が似ているだけで、書かれている数字はまったく別物です。
派遣の許可・更新で、なぜ両方の話が出るのか
労働者派遣事業の許可申請や更新では、添付書類として法人税の納税証明書(その2・所得金額用)が求められます。労働局は、申告した所得金額を確認したいからです。
一方、資産要件(基準資産額2,000万円以上など)を月次決算で満たすときは、公認会計士のAUP報告書が必要になります。このAUPでは、手続の内容に応じて、帳簿に載っている未払法人税等(まだ納めていない税金)や納付の事実を確かめることがあります。その照合に使えるのが「その1」です。所得金額しか書かれていない「その2」では、納税額の突き合わせができません。
つまり、同じ更新手続きの中でも、提出先と目的によって必要な種類が変わるわけです。資産要件やAUPの全体像は 派遣許可更新のご案内 にまとめています。
取り方①:e-Taxならオンラインで完結
納税証明書は、e-Tax(国税の電子申請システム)からオンラインで請求できます。流れは次のとおりです。
- e-Taxソフトやマイナポータル連携で交付請求のデータを送る
- 税目(法人税・消費税など)と年度、種類(その1・その2)を指定する
- 手数料をインターネットバンキング等で納付する
- 電子ファイル(XML・PDF)で受け取るか、書面を窓口・郵送で受け取る
電子ファイルで受け取れば、会計士へのPDF共有もスムーズです。労働局へ書面で出す場合は、書面での受け取りを選びます。
取り方②:税務署の窓口・郵送
管轄の税務署の窓口でも請求できます。草加市の法人は川口税務署、越谷市・八潮市は越谷税務署、川口市は町名により川口税務署か西川口税務署です。詳しくは 草加・越谷・八潮・川口 の各ページをご覧ください。
窓口では、交付請求書のほか本人確認書類が必要です。代表者以外(総務担当の方など)が行くときは委任状も要ります。手数料は2026年10月現在、窓口・郵送が1通400円、e-Taxのオンライン請求なら370円です。
取るときの注意点:税目・年度・通数を先に確認
よくあるやり直しが、「法人税だけ取ったが消費税も必要だった」「年度が1期分足りなかった」というものです。手数料は税目の数×年度の数で増えるので、請求の前に次を確認しましょう。
- 税目:法人税だけか、消費税及び地方消費税も要るか
- 年度:直近の事業年度だけか、複数期分か
- 種類:労働局用はその2、AUP用はその1、と分けて数える
- 通数:労働局提出用と手元控えで何通要るか
なお、法人県民税・事業税など地方税の納税証明は税務署ではなく、越谷県税事務所や川口県税事務所など県の窓口で取ります。国税の証明書とは別物なので、依頼元がどちらを求めているかも併せて確認してください。
AUPの日程が決まっている場合は、証明書の取得に数日かかることも見込んで、早めに請求しておくと安心です。
参考(一次資料)
- 国税通則法 第123条(納税証明書の交付)
- 国税庁「納税証明書の交付請求手続」
- 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律 第5条・第10条
- 厚生労働省「労働者派遣事業関係業務取扱要領」