派遣許可の更新で資産要件を満たさないときのAUP(合意された手続)
労働者派遣事業の許可の更新で、直近の決算書が財産的基礎の要件(基準資産額・負債比率・現預金)を満たしていなくても、要件を満たした月次決算書に公認会計士の「合意された手続実施結果報告書」(AUP報告書)を添えて労働局に提出することで、更新の審査を受けることができます。このページでは「更新」に絞って、判定・スケジュール・必要資料・よくある質問をまとめています。
労働者派遣事業の許可更新に必要な「合意された手続実施結果報告書」(AUP報告書)は、一律10万円(税抜)で承っております。
| 料金 | 一律10万円(税抜)。事業所数や売上規模による加算はなく、交通費・報告書原本の郵送費もかかりません |
|---|---|
| 納期 | 資料が揃ってから最短即日〜翌営業日に発行。PDFを先にお送りし、原本は郵送します |
| 対応地域 | 全国。来所は不要で、電子契約・メール・Zoomで完結します |
| 担当 | 公認会計士・税理士の嶋田景太が担当させていただきます。 |
新規許可の場合はAUPではなく監査が必要です(労働者派遣事業の監査証明・合意された手続(AUP))。
監査とAUPの違いと費用の考え方は、動画でも解説しています。
1.更新時の財産的基礎の要件
労働者派遣事業の許可の更新では、厚生労働省「労働者派遣事業関係業務取扱要領」に定める次の要件を満たしているかが審査されます。
| 要件 | 原則 | 暫定的な配慮措置 (小規模派遣元事業主) |
|---|---|---|
| ①基準資産額 | 2,000万円×事業所数 以上 | 1,000万円 以上 |
| ②負債比率 | 基準資産額が負債総額の7分の1以上 | 基準資産額が負債総額の7分の1以上 |
| ③現金預金 | 1,500万円×事業所数 以上 | 800万円 以上 |
決算書の数字で要件を満たしているかは、財産要件チェックでご自身で確認できます。更新の申請の期限と準備の目安は、こちらで確認できます。
暫定的な配慮措置は、1つの事業所のみを有し、常時雇用している派遣労働者が10人以下の中小企業事業主などが対象です。適用できるかどうかは、管轄の労働局にご確認ください。
直近の事業年度末の決算書で①〜③をすべて満たしていれば、公認会計士の報告書は不要です。
1つでも満たしていない場合は、増資などで要件を満たした時点の月次決算書(または中間決算書)に、公認会計士の報告書を添えて労働局に提出します。更新の場合は、この報告書が監査報告書ではなく合意された手続実施結果報告書(AUP報告書)でも足りるとされています。
有料職業紹介事業の許可の更新も同様の手続です。職業紹介の資産要件は有料職業紹介事業の監査証明・AUPのページをご覧ください。
2.AUPと監査証明の違い(更新はAUPで足りる場合が多い)
労働局の案内では「監査証明」と書かれていることがありますが、許可の更新に伴う提出であれば、当面の間、監査ではなく合意された手続(AUP)でも可とされています。
| 監査(監査報告書) | 合意された手続(AUP報告書) | |
|---|---|---|
| 主に使う場面 | 新規許可の申請で、直近の決算が要件を満たさない場合 | 許可の更新の申請で、直近の決算が要件を満たさない場合 |
| 公認会計士が見る範囲 | 決算書全体 | 財産的基礎に影響する勘定残高(現預金・純資産など) |
| 報告の形 | 監査意見を表明 | 実施した手続とその結果を報告(意見は表明しない) |
| 当事務所の料金(税抜) | 30万円〜 | 一律10万円 |
見る範囲が限られる分、AUPは監査より短い日数・低い費用で済みます。ご自身のケースで監査が必要かAUPで足りるかが分からない場合は、提出先の労働局の取扱いを確認のうえでご案内します。合意された手続そのものの解説は合意された手続(AUP)とはをご覧ください。
3.更新までの逆算スケジュール
許可の有効期間の更新の申請は、有効期間が満了する日の3か月前までに行うのが原則です。直近の決算が要件を満たしていない場合は、その前に「要件を満たす → 月次決算を締める → AUP」を済ませる必要があるため、余裕をもって準備を始めてください。
- 要件の確認:直近の決算書と直近月の試算表から、どの要件がいくら足りないかを顧問税理士とご確認ください
- 要件を満たす:基準資産額が足りない場合は増資などで純資産を増やします。現預金だけが足りない場合は、入金の時期なども含めて検討します
- 月末で月次決算を締める:要件を満たした月の月末を基準日にするのが一般的です。顧問税理士の先生に月次の試算表を作っていただきます
- AUPの実施・報告書の発行:資料が揃ってから最短即日〜翌営業日にPDFを発行し、原本を郵送します
- 労働局へ提出:更新の申請書類とあわせて、月次決算書(試算表)とAUP報告書を提出します
有効期間満了日の3か月前が迫っている場合は、まず管轄の労働局に提出時期をご相談ください。当事務所ではお急ぎの案件を優先して対応しますので、お問い合わせ時に提出予定日をお知らせください。
4.必要資料(8点)
AUPの実施にあたり、次の資料をご提出いただきます。メール添付または共有リンクでお送りください。顧問税理士の先生から直接お送りいただいても構いません。
- 当期の月次試算表(基準日時点の月次決算書)
- 当期の総勘定元帳(Excel)
- 直近年度の決算書・税務申告書
- 納税証明書(法人税は「その1」が必要な場合があります)
- 預金通帳(基準日の残高が載っているページ)
- 現金有高表(基準日時点の金種別の実査表。現金残高に重要性がある場合)
- 履歴事項全部証明書(増資した場合は、増資の登記後のもの)
- サンプル取引の根拠資料(請求書など。対象は面談時にご案内します)
5.料金
| 業務 | 料金(税抜) |
|---|---|
| 合意された手続(AUP):許可の更新 | 一律10万円 |
| 監査:新規許可 | 30万円〜 |
交通費・報告書原本の郵送費などの追加費用はいただきません。お支払いは報告書発行月の月末までにお振込みください。
6.よくある質問
Q. 月末ではなく、月の途中の日で締めた試算表でもAUPを受けられますか?
A. 月の途中の日を基準日にすることも可能ですが、月末で締めた月次決算を使うのが一般的です。月の途中で締める場合は、提出先の労働局のご担当者に事前にご確認ください。
Q. 納税証明書は「その1」と「その2」のどちらが必要ですか?
A. 「その1」は納付すべき税額・納付済額などの証明、「その2」は所得金額の証明です。AUPでは決算書・申告書の税額との突合に使うため、法人税については「その1」をご用意いただく場合があります。どの証明書が必要かはご依頼時にご案内します。
Q. 役員からの借入金で資産要件を満たせますか?
A. 役員借入金は負債なので、現預金は増えても基準資産額(純資産に相当する額)は増えません。基準資産額が不足している場合は、まず増資などで純資産を増やすことが先になります。借入は負債比率の要件にも影響しますので、いくら増資すればよいかを顧問税理士と先に試算しておくことをおすすめします。
Q. 代表者が海外出張中でも依頼できますか?
A. はい。ご契約は電子契約、資料はメールまたは共有リンク、報告書はPDFでお送りしますので、海外にいらっしゃっても手続を進められます。報告書の原本は国内のご指定先へ郵送します。
Q. 地方の会社でも依頼できますか?
A. はい。全国対応です。ご説明はZoomまたはお電話、資料のやり取りはメールと郵送で完結しますので、ご来所は不要です。
Q. 料金の支払期限はいつですか?
A. 報告書を発行した月の月末までにお振込みください。料金は一律10万円(税抜)で、交通費や郵送費などの追加費用はありません。
Q. 前回の更新で「暫定的な配慮措置」を受けました。今回もAUPで更新できますか?
A. 小規模派遣元事業主向けの暫定的な配慮措置の要件(基準資産額1,000万円以上・現預金800万円以上など)を満たした月次決算書とAUP報告書で更新できる場合があります。適用できるかどうかは事業所数・派遣労働者数などで決まりますので、管轄の労働局にご確認ください。
Q. 有料職業紹介事業の許可更新でも同じ手続ですか?
A. はい。有料職業紹介事業の更新でも、直近の決算で要件を満たさない場合は、要件を満たした月次決算書とAUP報告書で審査を受けます。料金も同じ一律10万円(税抜)です。ただし資産要件の金額は派遣と異なります(有料職業紹介事業の監査証明・AUPをご覧ください)。
AUP報告書のお申込み・ご相談はこちらから
「AUPが必要か分からない」「いくら増資すればよいか知りたい」という段階でも構いません。お問い合わせ内容欄に、更新であること、許可の有効期間の満了日、労働局への提出予定時期をご記入いただくと、より具体的にご案内できます。直近の決算書と直近月の試算表があれば、返信メールに添付してお送りください。