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公開日:執筆:公認会計士・税理士 嶋田景太

通帳は「撮って置くだけ」で記帳に使えます

「通帳のコピーをお願いします」と言われるたびに、コンビニへ行っていませんか。月末の忙しい時期に、記帳のためATMに並び、コピーを取り、封筒で送る。この繰り返しがつらい、という声をよくいただきます。

結論から言うと、当事務所の経理アプリなら、紙の通帳をスマホで撮って置くだけで済みます。撮った画像は明細(日付・金額・摘要の一覧)として読み取られ、そのまま記帳に使われます。インターネットバンキングがなく、会計ソフトとつなげない口座でも、これで対応できます。

下の画面で、実際の操作を試してみてください。

まず触ってみてください。下の画面は、当事務所の顧問先が使っている経理アプリのデモです(架空の会社のデータ・何を押してもどこにも送られません)。スマホの方はスマホ表示、パソコンの方はパソコン表示で動きます。

app.shimada-cpa.com(デモ・架空データ)
画面の中を押して・スクロールして操作できます。右下の「最初から」で元に戻ります。

今までの通帳まわりの手間

通帳は、帳簿づくりの土台になる書類です。お金の出入りが日付・金額つきで並ぶため、税理士は必ず確認します。だからこそ「コピーをください」というお願いが毎月のように届くわけです。

でも、紙でのやりとりには手間が多いです。

紙のやりとりと経理アプリの比較。紙はATM・コンビニ・郵送の手間があるが、アプリはスマホで撮って置くだけで明細になる。

コピーが届かないと記帳が止まり、月次の数字も遅れます。「先月のページだけ抜けていた」といったやり直しも起きがちです。

アプリでの流れ:撮って置くだけ

手順はかんたんです。記帳済みのページを開き、スマホで撮って、アプリに置く。お客様の作業はここまでで、あとは明細として読み取られ、帳簿づくりに使われます。

通帳スキャンの流れ。お客様が通帳を撮ると自動で明細が読み取られ、読めない行は事務所が確認し、帳簿に反映後、残高を照合する。

読み取りといっても、専用の機械はいりません。スマホのカメラで十分です。多少斜めに写っても、ある程度は補正して読み取れます。

ページが複数ある月は、ページごとに撮って置いてください。順番がばらばらでも、日付をもとに並べ直せます。

読み取れない行の確認と、残高の突き合わせ

印字がかすれていたり、手書きのメモが重なっていたりすると、読み取れない行が出ます。そうした行は、事務所が元の画像を見て確認します。それでも分からないときだけ、「この入金は何ですか」とお尋ねします。読み取りの結果がそのまま帳簿に載るわけではありません。お客様がすべての行を見直す必要もありません。

さらに、通帳に印字された残高と帳簿の残高を、毎回突き合わせます。1円でも合わなければ、どこかに行の抜けや読み違いがあるサインです。合うまで原因を探すので、スキャン方式でも帳簿の正確さは保てます。

覚えてほしい数字。コピーのための外出は0回、通帳や帳簿の保存は原則7年、残高は1円のずれも見逃さない。

なお、撮ったあとの紙の通帳は捨てないでください。帳簿や書類は、原則7年の保存が必要です(例外あり)。通帳そのものは、これまでどおり手元で保管をお願いします。

ネットバンキング連携との使い分け

すべての口座でスキャンが最善、というわけではありません。インターネットバンキングが使える口座なら、会計ソフトと直接つなぐほうが早くて正確なことが多いです。スキャン方式は、あくまで「連携できない口座」のための方法です。

スキャン方式が向くかの判定。ネットバンキングを使える口座なら会計ソフト連携、使えない口座でこまめに記帳できるならスキャン方式が向く。

たとえば、次のような口座に向いています。

  • 紙の通帳だけで使ってきた昔からの口座
  • ネットバンキングを契約していない信用金庫・農協などの口座
  • 連携に月額料金がかかり、取引が少なくて割に合わない口座

気をつけること・向かない方

いくつか注意点があります。

  • 記帳はこまめに。長く記帳しないと「おまとめ記帳」になり、明細が省略されます。その場合、銀行で入出金明細の発行を頼む手間が増えることがあります
  • 残高の印字まで写す。ページの右端が切れると、残高の突き合わせができません
  • ぶれた写真は読み取れる行が減ります。机に置いて、真上から撮るのがコツです

また、通帳のない「通帳レス」の口座には、この方法は使えません。口座の種類ごとに合うやり方が違うので、どの口座をどう扱うかは個別に整理するのが近道です。

参考(一次資料)

  • 国税庁 No.2070 青色申告制度
  • 国税庁 No.5930 帳簿書類等の保存期間
  • 所得税法 第148条(青色申告者の帳簿書類)
公認会計士・税理士 嶋田景太

この記事を書いた人

嶋田 景太公認会計士・税理士

有限責任監査法人トーマツで会計監査に従事し、Deloitte Australia 駐在を経て、2021年に嶋田景太公認会計士・税理士事務所を設立。埼玉県草加市で、税務顧問・相続税申告・会計監査を行っています。事務所について

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