個人事業主に税務調査が入る確率はどのくらいなのでしょうか?

国税庁の発表によると、令和4年度の実績ベースで、個人事業主に税務調査が入る割合は約0.7%でした。

所得税の確定申告をした人の数税務調査数
令和4年度653.0万人4.6万件(0.7%)
(参考)令和3年度656.9万人3.1万件(0.5%)
出所:国税庁「令和4事務年度 所得税及び消費税調査等の状況」を加工

令和3年度は税務調査数が3.1万件(0.5%)でしたが、令和4年度には4.6万件(0.7%)と、調査数が増加していることが分かります。

約1.5万件増えましたが、これは、令和3年度はコロナの影響で税務調査も控えられていたものが、コロナが明けて調査活動が活発になされるようになったためと考えられます。

 

0.7%だから大丈夫…ではありません

完全にランダムに選ばれるのであれば、「0.7%は引かないだろう…」と考えるのはある意味真っ当だと思います。

しかし、税務調査の先はランダムに選ばれるわけではありません。

選定先は、国税庁の基幹システムであるKSKシステム(税務調査左記の選定支援を行う機能などが搭載されたシステム)を利用して行われます。

KSKシステムにおける選定基準は一般的には公開されていませんが、基本的には以下の条件に合致する場合は、通常よりも高い確率で調査先として選定される可能性があるといわれています。

①無申告の人
②申告漏れが多い業種の人
③売上がギリギリ1,000万円に満たない基準で推移している人
④経費に不可解な動きがある人
⑤現金商売を行っている人
⑥税理士がついていない人

 

①無申告の人

いま無申告の人がもしこの投稿を見ていたら、今すぐ申告することをお勧めします。

「無申告なら、バレないのでは…」

と考えるかもしれませんが、無申告の人を追跡する方法はいくつもあります。たとえば…

・取引先が税務署に提出する支払調書(ex. 報酬を受け取っているはずなのに申告がない→調査)
・取引先の税務調査(ex. 取引先の税務調査で、懸念先として抽出→調査)
・ネット上の情報(ex. 店舗を運営しているはずはのに、申告されていない→調査)

基本的にバレます。バレたら追徴だけでなく、加算税なども生じます。

もし無申告でしたら、すぐに申告してください。長い目で見れば、それが一番おトクです。

 

 

②申告漏れが多い業種の人

申告漏れや税逃れの規模が大きい業種は、国税庁が毎年発表しています。

令和4年度の例を見てみましょう。

順位業種目1件当たりの申告漏れ所得金額1件当たりの追徴税額前年の順位
1経営コンサルタント3,367万円6761
2くず金卸売業2,483952-
3ブリーダー2,0754543
4焼肉1,611319-
5タイル工場1,598266-
6冷暖房設備工事1,52028715
7鉄骨、鉄筋工事1,440261-
8太陽光発電1,391289-
9バー1,391250-
10電気通信工事1,37422313
出所:国税庁HP「令和4事務年度 所得税及び消費税調査等の状況」

上表の業種目に該当する方は、相対的に税務調査に入られる可能性が高いといえます。

 

 

③売上がギリギリ1,000万円に満たない基準で推移している人

2年前の売上高が1,000万円を超える場合、今年は消費税の課税事業者ということになります。

なので、売上を意図的に1,000万円以下に操作する場合、例えば毎年950万円から990万円の間で推移している個人事業主は、外部の目から見て少し怪しく見えます。

「売上除外してないかな・・・?現金で売り上げたものを記帳せずにポケットにしまって操作してないかな…?売上代金を配偶者の口座に振り込んでもらって、売上を除外してないかな…?」

など、調査官でなくても、いろいろなことが頭をよぎります。

 

 

④経費に不可解な動きがある人

基本的に、売上と経費は連動して増減することが一般的です。

例えば、去年と比較して売上が増えれば、経費も増えていることが想定されます。

逆に、去年と比較して売上が減っていれば、経費も減っていることが自然と考えられます。

「経費に不可解な動きがある」とは、例えば

去年と比較して売上が減っているのに、経費は増えているようなケースです。

このようなケースでは、外部の目からは

「売上が減っていれば経費も減っているはずだけどな…今年はプライベートの支出をいっぱい経費に入れてしまったのかな?」

などと連想されます。

国税庁の基幹システムである「KSKシステム」では、このような不可解な経費の動き等を識別するプログラムもあるようです。

 

 

⑤現金商売を行っている人

現金商売を行っている人も、税務調査が入りやすいと言われています。

現金商売とは、振り込みではなく現金で対価を得ている商売のことです。

典型的な例として、たとえばキャバクラ店や小売店、美容院、ゴルフのレッスンプロ(ラウンドレッスン)などが挙げられます。

現金商売を行っている人が税務調査に入られやすい理由は、

「売上代金を現金でもらって、記帳してないんじゃないの?」

という視点があるためです。

 

 

⑥税理士をつけていない人

確定申告書には、税理士による署名・押印欄があります。

税理士に頼んで申告書を作成した場合、その欄に税理士による署名・押印がなされます。

e-taxで申告する場合も、税理士による電子署名が付されます。

税理士によるサポートを受けて確定申告を実施した人と、自分で確定申告を実施した人とでは、後者の方が税務調査に入られやすいと言えます。

税理士がついていると調査に入られにくくなる理由として、以下2点が挙げられます。

・意図的な売上の除外や、プライベートの支出の経費算入が少ないと推定されるため
・決算書や申告書のミスが少ないと推定されるため

当税理士事務所でも、確定申告を承っておりますので、ご希望の方はぜひ以下のお問い合わせフォームより、お気軽にご連絡くださいませ!

 

 

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