税務調査の連絡が来たら|準備する帳簿・当日の対応・修正申告と加算税を税理士が解説
まず結論:慌てずに、事実の確認から始めましょう
税務署から「調査に伺いたい」と電話が来て、驚いていませんか。結論から言うと、連絡が来た時点で何かを疑われている、とは限りません。日程と対象をメモし、帳簿と請求書をそろえ、聞かれたことに事実で答える。この3つを押さえれば、落ち着いて対応できます。
電話が来たら確認する5つのこと
電話を受けたら、あわてて即答せず、次の点を聞き取ってメモしましょう。
- 調査の日時と場所
- 対象となる税目(法人税・消費税など)
- 対象となる期間(何年度分か)
- 用意しておく帳簿や書類
- 担当者の部署と氏名
その場で日程を確定しなくても大丈夫です。「顧問税理士と相談して折り返します」と伝えましょう。どうしても都合が悪い日は、理由を添えて変更できないか相談してみてください。
用意する帳簿・請求書はこれ
基本は「申告の数字の根拠になったもの」を、対象期間の分だけそろえることです。
| 種類 | 具体例 |
|---|---|
| 帳簿 | 総勘定元帳・仕訳帳・現金出納帳 |
| 売上の資料 | 請求書の控え・契約書・納品書 |
| 仕入・経費の資料 | 請求書・領収書・レシート |
| 決算の資料 | 決算書・申告書の控え |
| その他 | 通帳・給与台帳・源泉徴収簿 |
法人の帳簿や書類は、原則7年の保存が必要です。見つからない書類があっても、取り繕わず、正直に状況を伝えましょう。日付や金額のつじつまを合わせるような作業は、絶対にしないでください。
当日の流れと受け答えのコツ
当日は、会社の概況の聞き取りから始まることが多いです。事業の内容、取引先、お金の流れなどを聞かれます。その後、帳簿と原始資料(請求書・領収書などの元の書類)の突き合わせに進みます。
受け答えのコツは3つです。
- 聞かれたことだけに、事実で答える
- あいまいな記憶で答えず「確認して後日回答します」と言う
- 求められていない資料まで先回りして出さない
悪気のない雑談から話が広がることもあります。丁寧に、しかし簡潔に、が基本です。
税理士の立会いで何が変わるか
顧問税理士がいる場合、調査に立ち会ってもらえます。専門的な質問にはその場で補足でき、指摘があれば根拠を確認できます。社長は事業の実態を話すことに集中できます。
立会いを頼むなら、連絡が来た段階で早めに共有してください。事前に帳簿の点検と想定問答の準備ができるからです。
誤りが見つかったら?修正申告と加算税
調査で申告の誤りを指摘され、内容に納得できたら、修正申告(正しい内容に申告をやり直すこと)をします。このとき、不足していた税金に加えて「過少申告加算税」というペナルティがかかります。
率は、修正申告をするタイミングで変わります(令和8年4月1日現在)。
| タイミング | 過少申告加算税 |
|---|---|
| 調査の事前通知の前に自主的に修正申告 | かからない |
| 事前通知の後〜調査で指摘される前 | 5%(一定額を超える部分は10%) |
| 調査で指摘を受けた後 | 10%(一定額を超える部分は15%) |
※「一定額」は、当初の申告税額と50万円のいずれか多い金額です。
また、調査のときに帳簿を見せないなどの対応をすると、加算税がさらに重くなることがあります。日ごろから、誤りに気づいたら早めに自分から直すのが、一番軽く済みます。
指摘に納得できないときは、その場で認める必要はありません。根拠を確認し、税理士と相談してから返事をしましょう。税務の判断は個別の事情で変わるので、一人で抱え込まないことが大切です。
参考(一次資料)
- 国税庁 No.2026 確定申告を間違えたとき
- 国税庁 No.5930 帳簿書類等の保存期間