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公開日:執筆:公認会計士・税理士 嶋田景太

会社を作った直後、どこから手を付ければいいですか

「登記は終わったけれど、次に何をすればいいのか分からない」。草加市で会社を作られた方から、この相談をよくいただきます。税務署、県税事務所、市役所、年金事務所と窓口が4つもあり、期限もばらばらです。

結論から言うと、動く順番は「年金事務所→税務署→県税事務所・市役所→給与の体制づくり」です。期限がいちばん短いのは社会保険(設立から5日以内)で、いちばん大事なのは青色申告の承認申請(設立から3か月以内)です。この記事では、最初の1か月で済ませたいことを順番に整理します。

設立日からの期限の目安
5日以内社会保険の新規適用届(越谷年金事務所)
1か月を目安県税事務所・市役所への設立届
1か月以内給与支払事務所等の開設届出書
2か月以内法人設立届出書(川口税務署)
3か月以内青色申告の承認申請書(川口税務署)
期限は設立日(登記した日)から数えます

全体の流れを先に見ておく

草加市の会社の窓口は次のとおりです。草加市内にあるのは市役所だけで、ほかは川口市と越谷市にあります。

届け先 所在地 主な書類
川口税務署 川口市 法人設立届出書、青色申告の承認申請書ほか
越谷県税事務所 越谷市 法人設立等申告書(県税)
草加市役所 草加市 法人設立届(市税)
越谷年金事務所 越谷市 健康保険・厚生年金の新規適用届

会社の登記(設立・変更)はさいたま地方法務局の本局です。窓口の詳しい場所は 草加市の窓口まとめ にまとめています。

1登記完了
お客様登記事項証明書を取る法人番号を控える
2年金事務所
お客様新規適用届設立から5日以内
3川口税務署
税理士設立届・青色申告給与・納期の特例
4県税・市役所
税理士越谷県税事務所草加市役所
5給与の体制
注意役員報酬を決める計算は会社か社労士
この順番で動くと期限の短いものから片づきます

1週目:年金事務所と登記事項証明書

法務局で登記が終わったら、まず登記事項証明書(会社の戸籍のようなもの)を2〜3通取ります。各窓口で写しを求められることが多いからです。法人番号も控えておきましょう。

次に越谷年金事務所です。会社は社長1人でも、役員報酬を払うなら健康保険・厚生年金に入るのが原則です。新規適用届の期限は「事実発生から5日以内」と短いので、ここを最初に片づけます。

  • 必要なもの:新規適用届、被保険者資格取得届、登記事項証明書の写しなど
  • 役員報酬がまだ決まっていなくても、見込み額で届け出ることが多いです
  • 従業員を雇う場合は、労働保険(春日部労働基準監督署・ハローワーク草加)の届出も必要です

2週目:川口税務署へ出す書類

税務署に出す書類は、まとめて一度に出すのがおすすめです。何度も川口まで行かなくて済みます。

書類 期限 ひとこと
法人設立届出書 設立から2か月以内 定款の写しを添えます
青色申告の承認申請書 設立から3か月以内(※) 出し忘れが最も痛い書類
給与支払事務所等の開設届出書 開設から1か月以内 役員報酬を払うなら必要
源泉所得税の納期の特例の承認申請書 期限なし(早いほど得) 常時10人未満の会社向け

※最初の事業年度の終わりが3か月より早い場合は、その前日までです。設立日と決算日が近い会社は要注意です。

青色申告(帳簿をきちんと付ける代わりに、赤字を翌年以降に繰り越せるなどの特典がある制度)は、期限を過ぎると初年度は白色申告になります。設立1年目は赤字になることが多いので、ここだけは必ず期限内に出してください。

3か月青色申告の承認申請の期限
10人未満納期の特例が使える人数
5日社会保険の新規適用届の期限

源泉の納期の特例は出しておくべき?

役員報酬や給与を払うと、会社は所得税を天引き(源泉徴収)して国に納めます。原則は「翌月10日まで」に毎月納付です。これを年2回(7月10日と翌年1月20日)にまとめられるのが「納期の特例」です。

Q1給与を払う人は常時10人以上ですか
はい
毎月10日までに納付(特例なし)
いいえ
Q2社長1人でも役員報酬を払いますか
はい
納期の特例を申請できる
いいえ
払い始めたら1か月以内に届出
社長1人の会社でも役員報酬を払えば対象です

特例は申請した月の翌月に払う給与から使えます。設立届と同時に出しておけば、最初の役員報酬からほぼ使えることが多いです。なお、給与の計算そのものは会社自身か、会社が契約する社会保険労務士が行います。当事務所は記帳と年末調整を担当します。

3〜4週目:県税事務所と市役所

税務署が終わったら、越谷県税事務所と草加市役所に設立の届けを出します。どちらも登記事項証明書と定款の写しを添えるのが一般的です。期限は県と市で定めが異なり、設立から1か月を目安に出しておくと安心です。正確な期限は各窓口の案内でご確認ください。

  • 越谷県税事務所:法人県民税・法人事業税の窓口
  • 草加市役所:法人市民税の窓口
  • 会社に利益が出なくても、法人県民税・市民税の均等割(定額部分)は原則かかります

この2つは郵送でも受け付けてもらえることが多いです。税務署の控えを取っておくと、同じ内容を書き写せて早く済みます。

1か月が終わったら次にやること

届出が一巡したら、次は帳簿と給与の体制です。やることは次の3つです。

  1. 役員報酬の額を決める(設立から3か月以内に決めると経費にしやすい)
  2. 会計ソフトを決めて、法人口座の入出金を記録し始める
  3. 消費税のインボイス登録が必要か検討する(取引先が会社なら必要なことが多い)

設立後1年目の予定表は 設立後のスケジュール にまとめています。期限が重なる時期を先に見ておくと、慌てずに済みます。

参考(一次資料)

  • 国税庁 No.5100 新設法人の届出書類
  • 国税庁 No.5070 青色申告制度
  • 国税庁 No.2505 源泉所得税及び復興特別所得税の納付期限と納期の特例
  • 日本年金機構「新規適用の手続き」(健康保険法・厚生年金保険法)
  • 地方税法(法人の設立等の届出に関する規定)
公認会計士・税理士 嶋田景太

この記事を書いた人

嶋田 景太公認会計士・税理士

有限責任監査法人トーマツで会計監査に従事し、Deloitte Australia 駐在を経て、2021年に嶋田景太公認会計士・税理士事務所を設立。埼玉県草加市で、税務顧問・相続税申告・会計監査を行っています。事務所について

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