相続税の基礎控除について詳しく解説!計算方法も。
埼玉県草加市の税理士です(獨協大学前駅東口より徒歩1分)。
主に草加市・越谷市・川口市・八潮市にて、相続でお困りの方に向けて、相続税の生前対策から遺産分割、相続税申告まで承っております。
草加市で税理士をしております嶋田景太です。
この記事では、基礎控除の仕組みや計算方法、そして控除額をうまく活用する方法について、わかりやすく解説していきます。
Contents
相続税の基礎控除とは?
まず、「相続税の基礎控除」って何?という方もいるかもしれませんね。相続税の基礎控除とは、相続税を計算するときに、一定の金額を差し引くことができる制度のことです。この制度のおかげで、すべての相続に税金がかかるわけではなく、一定の金額までは税金を払わなくてもよくなっています。
この基礎控除のおかげで、相続税の負担が減り、相続人が安心して財産を受け取ることができる仕組みになっているんです。
この基礎控除額をきちんと理解しておくことで、相続に関する手続きをスムーズに進めることができます。相続税の計算をするときに、基礎控除額を正確に差し引くことができれば、税金の負担を大幅に軽減することができますよ。
相続税の基礎控除額の計算方法をチェック!
次に、相続税の基礎控除額の計算方法について説明します。この計算方法を知っておくと、自分がどれくらいの財産を相続するときに税金がかかるのか、事前に把握できるので安心です。
法定相続人の数 | 基礎控除額 |
1人 | 3,600万円 |
2人 | 4,200万円 |
3人 | 4,800万円 |
基礎控除額は、このように法定相続人の数によって計算されます。例えば、相続人が2人の場合、基礎控除額は4,200万円です。この控除額以下であれば、相続税はかかりません。
例えば、法定相続人が3人の場合、基礎控除額は4,800万円になります。この金額以下の財産であれば、相続税を払う必要はないんです。逆に、この基礎控除額を超える財産がある場合には、その超えた部分に対して相続税がかかることになります。
基礎控除額の活用法と節税対策について
相続税を節約するためには、基礎控除額を最大限に活用することが大切です。それに加えて、他にもいくつかの節税対策があります。ここでは、相続税の負担を減らすための具体的な方法について詳しく見ていきましょう。
1. 生前贈与の活用
生前贈与を活用することは、相続税対策のひとつです。生前に家族へ財産を贈与することで、相続時の財産総額を減らし、相続税の負担を軽減することができます。特に、年間110万円までは贈与税がかからない「贈与税の非課税枠」を活用することが有効です。定期的に非課税枠を使って贈与を行うことで、相続財産を少しずつ減らしていくことができます。
2. 生命保険の活用
生命保険金も相続税対策に有効です。相続人が受け取る生命保険金には、「500万円 × 法定相続人の数」までの非課税枠が適用されます。このため、生命保険を活用して相続人に保険金を残すことで、相続税の負担を減らすことが可能です。また、生命保険金は相続手続きが比較的簡単で、現金としてすぐに使える点も魅力です。
3. 小規模宅地等の特例の適用
相続財産に不動産が含まれている場合、「小規模宅地等の特例」を利用することで大幅な節税が可能です。この特例を利用すると、被相続人が住んでいた土地や事業用の土地について、その評価額を最大80%減額することができます。これにより、相続税の負担を大幅に減らすことができます。ただし、この特例を受けるためには一定の要件を満たす必要があるので、事前に確認しておきましょう。
4. 二次相続を見据えた対策
二次相続とは、一次相続が終わった後に発生する相続のことです。例えば、夫が亡くなり妻がすべての財産を相続した場合、その後に妻が亡くなると、その財産が子どもなどの次の相続人に相続されることになります。この二次相続では、一次相続での対策が不十分だと、相続税の負担が大きくなることがあります。
二次相続での相続税負担が増える理由
一次相続で配偶者が全ての財産を相続すると、「配偶者の税額軽減」により一時的に相続税を大幅に減らすことが可能です。しかし、配偶者が亡くなった後の二次相続で、その財産すべてが子どもなどの相続人に相続されることになり、その際には基礎控除額が少なくなるため、結果的に相続税の負担が大きくなることがあります。
例えば、一次相続では配偶者と子どもが法定相続人である場合、基礎控除額は「3,000万円 + 600万円 × 2人 = 4,200万円」となります。しかし、二次相続で子どもが一人で相続する場合、基礎控除額は「3,000万円 + 600万円 × 1人 = 3,600万円」となり、相続税の基礎控除額が少なくなるのです。
配偶者が財産を全て相続する場合、一時的には相続税を減らせますが、その後の「二次相続」で相続税が高くなる可能性があります。たとえば、夫が亡くなった後に妻が全ての財産を相続すると、次に妻が亡くなった際に相続人(子どもなど)が多額の相続税を支払うことになることがあります。そのため、一次相続の際に適切に分割して財産を相続することで、二次相続の負担を減らすことが大切です。
法定相続人の数が基礎控除に与える影響
法定相続人の数は、基礎控除額に大きく影響します。法定相続人とは、法律で決められた相続人のことを指し、配偶者や子どもが該当します。例えば、相続人が多いほど基礎控除額も増え、相続税の負担が軽くなる可能性が高まります。
法定相続人の数 | 基礎控除額の影響 |
1人 | 基礎控除額が少ないため、税負担が増える可能性あり |
2人以上 | 基礎控除額が増えるため、税負担が軽減される可能性が高い |
例えば、相続人が1人の場合の基礎控除額は3,600万円ですが、相続人が3人になると基礎控除額は4,800万円になります。このように、相続人の数が増えることで基礎控除額が増え、結果的に相続税の負担が減るんです。
さらに、配偶者や子ども以外にも、両親や兄弟姉妹が法定相続人になる場合もあります。例えば、両親が高齢で亡くなった場合、兄弟姉妹が法定相続人になることがあります。こうしたケースでも、相続人の数が多ければ多いほど基礎控除額が増えるので、相続税の負担が軽くなる可能性があります。
法定相続人の種類 | 基礎控除への影響 |
両親や兄弟姉妹が相続人の場合 | 基礎控除額が増えるため、相続税の負担が軽減される可能性が高い |
相続税がかからないケースもある!
「相続税って、必ずかかるの?」と思う方もいるかもしれませんが、実はそうでもありません。相続財産が基礎控除額を超えない場合には、相続税はかかりません。例えば、相続財産が基礎控除額以下であれば、税務署に相続税の申告をする必要もないことがあるんです。ただし、基礎控除額を超えない場合でも、相続財産の評価方法によっては申告が必要になることもあります。こうした判断をするためには、専門家に相談することが大切です。また、配偶者が相続する場合には「配偶者の税額軽減」という特例が適用されるので、相続財産が多くても相続税がかからないことがあります。この特例は配偶者にとって非常に有利な制度ですので、配偶者に多くの財産を残すことは、節税対策としても有効です。
相続税がかからないケース | 内容 |
相続財産が基礎控除額以下の場合 | 相続税がかからない、申告も不要な場合あり |
配偶者が相続する場合 | 「配偶者の税額軽減」により、相続税がかからない場合がある |
相続税の基礎控除を正しく理解しよう!
相続税の基礎控除について正しく理解することは、スムーズな相続手続きを行うために非常に重要です。特に、相続財産の金額や相続人の人数によって基礎控除額が変わるため、事前にしっかりと準備をしておくことが大切です。
相続税の申告には期限があり、相続が発生してから10か月以内に申告しなければなりません。時間的な余裕を持って準備することが重要ですし、特に相続財産が多い場合には申告の準備に時間がかかることがあります。そのため、相続が発生する前に基礎控除について理解しておくと安心です。
相続税の基礎控除は、相続に関する税金の負担を軽くするための大事な仕組みです。正しい知識を持って対応することで、スムーズに相続手続きを進めることができます。また、基礎控除について知っておくことで、家族で将来的な財産の分け方について話し合う機会を持つことができます。
相続税の基礎控除を理解し、うまく活用することで、相続人の税金負担を減らし、家族みんなが納得する形で相続を進めることができます。相続は家族にとって大切なイベントですので、正しい知識を持って備えておくことが大切です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!少しでも相続に関する不安が解消されたなら幸いです。また相続に関するテーマで記事を書いていきますので、ぜひチェックしてくださいね!