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日本の公認会計士がオーストラリアのタックスリターンをやってみた

公認会計士の嶋田です。今回は、オーストラリアのタックスリターン(確定申告)を自分でやってみたので、紹介したいと思います。

私は2019年9月から2021年6月までの期間でオーストラリアの会計事務所に勤務しており、その会計事務所から給与所得を得ていたので、オーストラリアの確定申告、すなわちタックスリターンをする必要があります。

日本では企業に勤めている場合、会社が月々の給料から所得税を源泉徴収・年末調整してくれるので、自分で確定申告しなくてよいのですが、オーストラリアでは収入がある人はすべて確定申告をする必要があります。

とはいえ、手続き自体は非常に簡単なため、僕の同僚とかはみんな自分で確定申告をやっていました。

オーストラリアで勤務されている日本人の方で、確定申告できるか不安な方は、まずはご自身でやってみて、ちょっと難しそうと感じたら現地の日本人Accountantに外注してみるとよいでしょう。

 

ちょっとした基礎知識~現地の所得税率と簡単なシミュレーション~

以下、オーストラリアの所得税率のテーブルです。日本と同様に累進課税になっています。

1.居住者(2020/2021財政年度の税額・税率)

課税所得(豪ドル) 税額・税率
0~18,200 0%
18,201~45,000 19%
45,001~120,000 32.5%
120,001~180,000 37%
180,001以上 45%

2.非居住者(2020/2021財政年度の税額・税率)

課税所得(豪ドル) 税額・税率
0~120,000 32.5%
120,001~180,000 37%
180,001以上 45%

3.ワーキングホリデー(2020/2021財政年度の税額・税率)

課税所得(豪ドル) 税額・税率
0~45,000 15%
45,001~120,000 32.5%
120,001~180,000 37%
180,001以上 45%

出所:https://www.jetro.go.jp/world/oceania/au/invest_04.html

 

ご覧いただけるとわかりますが、税務上の非居住者(上記2のテーブル)の場合は、ちょっとでも稼いだら、その所得金額に32.5%という高い税率が適用されてしまいます。一番支払う税金が少なくて済むのは圧倒的に上記1のテーブル、つまり税務上の居住者になっていますが、居住者扱いにするためには、少なくとも12月31日以前に豪州に入国しておく必要があります(いわゆる”183-day test”)。7月1日から12月31日の期間に入国していれば、豪州の会計年度末である6月30日から起算して6か月以上の期間にわたり豪州にいたことになり、6か月以上継続して滞在していれば、税務上居住者として扱われるためです。つまり、1月1日以降に豪州に入国して働き始めた場合、税務上の非居住者として取り扱われるため、上記の”2. 非居住者”の若干理不尽なレベルの所得税を支払う羽目になってしまう可能税があります。

これから豪州に行って働き始めようと思っている方は、ぜひ入国タイミングによくよく注意してみてください。可能なら、働き始める前年の7月1日から12月31日までにオーストラリアに入国されているとよいと思います。こちらのリンクに、詳細な判定方法が載っています。

実感をもつために、下記に簡単な例を載せました。具体的には、月1,000ドル稼ぐ日本人がX0年11月にオーストラリアに入国した場合と、同じ日本人がX1年1月にオーストラリアに入国した場合に分けて、課される所得税の違いを記載しました。

結論からいうと、こちらのケースでは、11月に入国した場合のほうが1,950ドルもお得です。

いつ入国したかで、納める税金がこんなに違います

 

 

実例 ~実際にATOのサイトでタックスリターンをやってみた~

以下、私の実例を紹介したいと思います。なお、前提となる私の個人データは以下のとおりです。

>2019年9月から2021年6月までオーストラリアで勤務

>勤務先は会計事務所。日本の会計事務所からの有期の短期派遣で渡豪

>去年もタックスリターン実施済み。

>コロナの影響でかなーり在宅勤務していました。年の半分くらいは在宅勤務のイメージです。その際、パソコン、机、いす、デスクライトなどなど、仕事に必要なものを調達しており、300ドル越えの資産は減価償却対象とはいえDeduction(必要経費)が大きいと思ったのでタックスリターンが楽しみでした。

まずはmyGovのページからATOのリンク先へ。myGovとATOをリンクしないとタックスリターンが始められないので、事前にしておくようにしましょう。リンク方法はこちら。ATOに電話すればリンクできます。すると以下のような申告画面にいきます。

まず、Contact detailを入力していきます。以下黒塗りの部分ですね。

はじめはここから。

電話番号、メールアドレス、住所などを入力していきます。

 

 

銀行口座の情報を入力しましょう。ここに入力した口座に、還付金額が振り込まれます(還付なら)

 

>税務上の居住者ならYes、そうでなければNo。 >配偶者(Spouse)がいたらYes、そうでなければNo。

 

気を付けるポイント

  • 事前にmyGovとATOをリンクさせておくこと(リンク方法はこちら)。
  • Tax residentか否か(間違ってNon tax residentにしてしまうと、還付金額が少なくなります。確認方法はこちら)。
  • Deductionは、入れてよい経費とダメな経費があるので、ATOのサイトで毎年確認するようにしましょう。基本的には、ご自身の職業にしか使わないもの(プライベートでは使わないもの)なら経費になるという認識でOKです。とはいえ、スーツ代とかは基本経費にならないとかの細かなルールがあるので、やはりATOのサイトで都度確認することをおすすめします。万が一のため、Deductionで申請した経費のレシートはとっておきましょう。高所得者や、不自然に経費が多かったりした場合(あとは運が悪かったら)ATOの監査に引っかかる可能性があります。その際に提示を求められます。
  • Medicareについて、毎月の給料から給料×2%源泉徴収されているけどMedicareのカードを持っていないという人は、Medicare levy exemption(Medicareの適用除外申請)をわすれずに(リンク先はこちら)。なお、適用除外申請から承認まで、6週間くらいかかりますので注意しましょう。

 

どうしたら6週間かかるのか教えてもらっていいっすか

No worries mate!

質問に答えてもらっていいっすか笑

まとめ

これでタックスリターン完了です。せっかくの機会ですので、ご自身でトライしてみるとよいと思います!ちょっと難しそうなら現地のAccountantに頼んでしまえばOKですね。

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