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公認会計士試験に合格していなくても日本の監査法人で働く裏技

一般的に、日本の監査法人で働くためには、日本の公認会計士試験(いわゆる「論文式試験」)に合格して、そのあと監査法人への就活・内定を経る必要があります。

ただ、日本の公認会計士試験に合格していなくても監査法人で働く方法があるので、今回はそれをご紹介させていただこうと思います。

結論:海外の会計士試験に合格すること

これはトーマツの定期採用ページから抜粋した、USCPA全科目合格者用の募集要項です。USCPA試験全科目合格者を対象に、入所後2年間、監査とアドバイザリーを兼務するという職務内容になっています。

 

この業務内容は正直言ってかなり魅力的ですね。通常、日本の公認会計士試験合格者は監査事業部に入りますが、そこでは監査100%、アドバイザリーはやりたくてもできないという人はけっこう多いです。

一方、USCPA取得後に入所するというのであれば、監査とアドバイザリーを半々の割合で行うことができます

ただ、監査にしろアドバイザリーにしろ、一朝一夕でこなせる仕事ではありません。そのため、新卒でここに入った場合、よほど要領の良い人でなければ両方どっちつかずになるリスクは結構高いと思います。

とはいえ、監査かアドバイザリーかどちらかに集中したいと主張すれば、そういう環境を用意してくれるでしょう。監査法人にもよりますが、大手であればあるほど、そういう融通が利きやすいと思います。

 

日本のCPA試験と海外のCPA試験、難易度はどう?

公認会計士試験制度に関して、日本の会計士試験制度とアメリカのUSCPA試験制度を簡単に比較してみました。

日本のCPA試験 アメリカのCPA試験
試験制度(合格条件) 短答式試験に合格した後、論文式試験に合格すること 全4科目を、1科目ずつ合格(18か月以内に4科目を受験してすべての科目に合格できればよい)
合格率 短答:12~15%

論文:35~38%

各科目で50~66%
試験日程 短答、論文ともに年1回(短答は例年年2回でしたが、2021年はコロナの影響で年1回に変更された) いつでも受験可
必要な勉強時間 10,000時間(自分の場合) 1,000時間(TACのHPより)

 

受かりやすいのは圧倒的にUSCPA

合格率だけを見ても、USCPAをとったほうがコスパがいいんじゃないかと思われそうです。それでは、USCPAのデメリットは何かあるのでしょうか?以下にまとめました。

  • 税理士試験免除ができない(日本のCPAなら、無試験で税理士になれる)
  • 行政書士試験免除ができない(日本のCPAなら、無試験で行政書士になれる)
  • 監査法人の監査部門で働き続ける場合、パートナーになりづらい傾向がある可能性があります。理由は、監査報告書にサインできないためです。一般的にパートナーが高い年俸をもらうのは、監査報告書へのサインという監査に対する大きな「責任」を負っているためです。高い年俸と重い責任が等価なんですね。しかしUSCPAしかもっていないと、監査報告書へのサインができません。いわば監査に対する責任を負うことができません。従って、パートナーになりづらい可能性があります。他部門なら何の問題もないですけどね。

 

じゃあ、もし時間を戻せたらUSCPAにする?

結論はNoです。やはり日本の公認会計士試験を受けると思います理由は、

1.圧倒的難易度の試験を突破することで、大きな自信を得られる

はっきり言って、こんなに難しい試験は世界的にも珍しいと思います。人生かけて何年勉強しても受からず、数年単位で時間を浪費してしまうことだって珍しくないというのはちょっと狂気すら感じます。何千時間かけても成果が出ないリスクがあるというのは、当事者からすると、控えめに言ってもめちゃくちゃ怖いです。そんな試験をパスしたという経験は、これからの人生で間違いなく、あらゆる局面でプラスに作用します。たとえば、海外の監査法人に勤務することになったとしても、その海外監査法人内の人に一般的な会計・監査の知識で負けることはありません。

受かった今だから言えることかもしれませんけどね。もしかしたら、まだ受験生のときにこの情報にあたってたら、USCPAのほうに鞍替えしてた可能性はなくはないです。それくらい日本の会計士試験は怖かったです。

僕は2年間Deloitte Australiaに出向してましたが、現地スタッフと日本の監査法人のスタッフをくらべたら、圧倒的に日本に軍配が上がるというのが正直な感想です。勝ちというのは、会計監査に関する知識はいうべくもなく、たとえば精神力や成長意欲というんですかね、そういった極めて定性的なところでも日本人のほうが勝っているとおもいます。

そういう面でも、やはり日本の公認会計士試験に合格するというのは、価値があることだと思います。

2.一生モノの友人ができる

会計士試験受験期間中に、同じ予備校内に勉強仲間ができることがあります。前述のように狂気じみた、日本の公認会計士試験を一緒に乗り切った仲間は、文字どおり一生ものです。ぜひ、大事にしてください。

僕が受験生だったのは10年くらい前ですが、今でも当時の仲間と定期的に会って良い刺激を受けています。いろいろな人がいまして、

  • 会計士という肩書を捨てて税理士として生きている友人
  • 会計士×税理士として、会計・税務関連のコンサルティング業務を行っている友人
  • 監査法人に残って、監査部門のマネージャーとして活躍している友人
  • 監査部門のマネージャーだったが、それを捨ててSenior AnalystとしてFinancial Advisory部門へ出向して自分の可能性を広げている友人

などなど。公認会計士というと、どうしても独占業務である会計監査を想像してしまいますが、むしろ会計監査を一生やる人のほうが圧倒的に少数派です。会計士という自分に、プラスアルファの付加価値をつけて売っている人が多いです。そしてそのプラスアルファは人によって無数にあります。そんな友人とたまに会って話すと、とても大きな刺激になります。

実際、僕が監査法人を辞めて新しい道を進もうと思ったのは、予備校時代の友人との会話がきっかけです。彼らがいなければ、おそらくまだ監査法人に勤務していたでしょう。そのくらい人生を変えてくれる存在です

3.無試験で税理士・行政書士になれる

日本の公認会計士であれば、無試験で税理士・行政書士になれます。USCPAではこうもいかないため、独立を視野に入れるのであれば、やはり日本の公認会計士に分があります。たとえば日本において税務業務は税理士の独占業務ですが、会計士独立後の典型パターンである「税務業務で食っていく」ためには、USCPAではなく日本の公認会計士である必要があります。どうしても税理士試験に合格した税理士には知識的に勝てないので、勉強はしないといけないですけどね。

まとめ

どちらを受けるかは、合格後にどんなキャリアを目指すかによると思います。日本国内で圧倒的優位な公認会計士になるか、コスパの良いUSCPAになるか。近年では監査法人の人手不足の影響で、USCPA合格者でも引っ張りだこだと思います。

どちらの試験を選んだとしても、合格した時のリターンは想像を超えるものです。応援しています!

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